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林業の循環を守るために必要な森林整備
森林の持つ公益的機能を維持するために森林の施業を行いながら、組合員の山、地域の山の価値を高めていくことは、私たちの最も基本的な仕事です。そしてそれを実現するには、上図のように森林の状況に応じて森林の手入れ(整備)することが必要です。ここでは、山を「守り」、「育てる」仕事の実際を紹介します。
森林の境界調査
森林を管理する上で最も基本的で重要なのが、所有者ごとの境界です。森林組合では、山の境界を保全していく取り組みとして、国や市の委託をうけて「山村境界保全事業」に取り組んできました。この事業では境界に番号入りのプラスチック杭を設置し、当組合の測量士による測量結果を図面として保存してきました。
森林整備を提案・計画するための調査
森林の整備を提案・計画するには、現状の森林の状況を把握することが第一歩となります。
まずは立木の密度、木の種類、樹齢、立木の太さ、樹高とその分布を徹底的に調査し、立木の様子を把握します。
参考として利用するのは、GISで一元管理されている森林簿や航空写真、地形図といったデータです。
間伐作業(車両系編)
さて、いよいよ森林整備です。まずは伐った木を搬出するための森林作業道を開設します。
森林に道を開設するためのノウハウを熟知している、頼もしい協力会社の方々が主に担ってくれています。
道ができたことで、伐った木を搬出するための重機たちが進入していきます。
間伐対象の木の選び方も重要な森林整備のポイントです。
(選木の考え方)
こうして間伐をすることで、暗かった森林が明るくなり、残った木がすくすくと成長していくようになります。
年間を通してこのような作業を行っているプロ職員のチームが“気持ちのいい山づくり”を心掛けながら作業をしています。
主伐・皆伐作業(架線系編)
近年、森林の少子高齢化が問題視されるようになってきました。
主伐を行うことにより林齢構成の多様化を進め、地域の森林の総合的な価値を高めるとともに木材の安定供給に努めることが、山側には求められています。
ようやく成熟を迎えつつある掛川市北部の森林ですが、その全てが道を入れ、重機を使って丸太が出せる場所ではありません。
急峻な地形や森林作業道の開設が望ましくない場所に置いては“架線系”という集材技術を駆使して丸太を集めます。
再造林・獣害対策
皆伐後は森林を循環させるために、基本的には再造林を行います。
皆伐時に出てきた枝葉や短材を整理整頓する、地拵え(じごしらえ)という作業をしてから、植えつけていきます。
育林
苗を植え、獣害対策を施したら5年間程度は特に目と手をかける必要があります。
獣害対策資材は、「一度設置すれば安心。」というものではありません。
思わぬ倒木や獣によるアタックで資材が破損してしまうケースもありますので、定期的な見回りをし、必要に応じて修繕する必要があります。